今日はオーケストラ音源 VIENNA Instruments の話題です。今月末までお得なキャンペーンを始めたようなので紹介したいと思います。キャンペーンは『数量限定!DVDパッケージ・ファイナル・セール 』と『Buy 3 and get 1 FOR FREE!! ~3本買ったら1本プレゼント!~』の2つあります。
結論から言うと、年末の恒例キャンペーンよりかなりお得だと思われますので、今まで VIENNA が気になっていながら高嶺の花だと敬遠していた方...
今日はオーケストラ音源 VIENNA Instruments の話題です。今月末までお得なキャンペーンを始めたようなので紹介したいと思います。キャンペーンは『数量限定!DVDパッケージ・ファイナル・セール 』と『Buy 3 and get 1 FOR FREE!! ~3本買ったら1本プレゼント!~』の2つあります。
VIENNA Instruments はこの度、全てのライブラリがダウンロード販売可能になったのを記念して、今までの DVD 版の在庫を一掃する計画です。1本 20% OFF での提供で、2本以上買うと 28% OFF になります。つまり2本以上買うなら海外から個人輸入するのとだいたい同じぐらいのお得度になる計算です。買うなら断然2本以上ですね!
例えばオーケストラライブラリをひと通り揃えたいとしましょう。通常ですと一番割安な方法は VI Symphonic Cube を買うことです。海外で買うとだいたい27万円ぐらいします(日本だと30万円超え)。含まれるパッケージは以下の通り(右は定価)。
VI Solo Strings 36,750円
VI Chamber Strings 45,150円
VI Orchestral Strings I 48,300円
VI Orchestral Strings II 45,150円
VI Woodwinds I 48,300円
VI Woodwinds II 42,000円
VI Brass I 44,100円
VI Brass II 44,100円
VI Percussion 38,850円
VI Harps 17,640円
で、これを4本ずつのグループに分けます。すると、、、
全て2本以上の購入ですから『数量限定!DVDパッケージ・ファイナル・セール 』によって全てが 28% OFF になります。さらに、『Buy 3 and get 1 FOR FREE!! ~3本買ったら1本プレゼント!~』によってグループの中で2番目に高い製品はタダになります(◎)。
VI Solo Strings 36,750円
VI Chamber Strings 45,150円 ◎
VI Orchestral Strings I 48,300円
VI Brass I 44,100円
VI Orchestral Strings II 45,150円 ◎
VI Woodwinds I 48,300円
VI Woodwinds II 42,000円
VI Brass II 44,100円
VI Percussion 38,850円
VI Harps 17,640円
タダになった製品を除いた合計金額は 320,040円で、そこから 28% OFF になりますので 230,428円(税込)で買えてしまいます。海外個人輸入するより安いですね。3番目のグループにもう1製品足して『Buy 3 and get 1 FOR FREE!! ~3本買ったら1本プレゼント!~』を適用するのも良いアイデアかも(笑)。
このため最新の Ms. Sax S. では、それまで採用していた Native Instruments の Kontakt プラットフォームを捨て、独自のエンジンを採用しています。私の勝手な音源選びの基準に「Kontakt でないこと」があります。Kontakt は様々な音源で採用されるほど汎用性に富んだ優秀なエンジン&インターフェースですが、音源を突き詰めていくとどうしても制約が出てくるようです。事実、世にある名だたる専用音源で Kontakt を採用しているものはありません。
日本代理店は、マニアックな製品でお馴染みの Media Integration です。価格はなんと!安い!!! 15,750円。えっ、ホントに!? 私はてっきり3~4万円はすると思ってました。ダウンロード販売ですから送料がかかりませんので、オンラインでユーロ建てで買えば更に安いです。注文フォームも日本語対応しているので難しいことは一切なし。ただ、やはり取説類は期待できそうにないので、そう言う方は Media Integration での購入がいいでしょう。
それから12番めの「Bernstein Somewhere」も聴いてみてください。これはホルンのソロですが音量による音色変化が聴けるサンプルです。ホルンと言うのは男性を象徴する楽器なのですが(その昔、狩りで使われていたため)、音色の傾向は「オカマ」でして、女性っぽいふくよかな音と男性っぽい張りのある音の2つが表現できる楽器です。その再現を聴いてみてください(5番目の Ein Heldenleben「英雄の生涯」は男性っぽさ全開のソロサンプルですね)。
これは音像コントロール機能ですね。なんと、各楽器の演奏位置を自由に配置できます。言ってみれば VIENNA MIR PRO みたいな機能で(日本でも販売始まりましたね)、例えばトランペットだけ奥で鳴らしたり、サックスを左、トロンボーンを右後ろ、みたいな構成を自由に作れるんです。こんなことを何気にポロッと搭載するあたり、IRCAM の技術の高さが覗えます。
実はこの製品、2月頭ぐらいからリリースされていたのですが、デモ曲が少なく記事を書くのを少し待っていたのですが、2月下旬の現在も1曲しかアップされてないですね(笑)。やる気ないんでしょうか?今日はこの QL Solo Violin についてレビューと言うよりはファーストインプレッションを書いてみたいと思います。
■Hollywood シリーズとは別製品
EastWest と言えば現在、同社の最新シリーズかつフラグシップのオーケストラ音源 Hollywood Strings/Brass を販売中です。容量的にも音質的にもブッ飛んだ音源なのですが、この QL Solo Violin シリーズは、Hollywood Strings からソロヴァイオリンを抜き出しただけかと思いきや、違うんですね。プロデュースこそ Nick Phoenix で共通ですが、きっちり違う場所で収録されています(カリフォルニアはサンタモニタ)。
であれば Hollywood Strings のソロヴァイオリンとの違いは何か?と言うことになるのですが、説明によれば QL Solo Violin は "virtuoso"(巨匠)なソロヴァイオリンだと言っています。つまり、Hollywood Strings から抜き出した派生的な音源ではなく、ソロヴァイオリン音源を新たに作る気持ちで臨んだ意欲作と言うことになります。
■スペックは?
QL Solo Violin の容量は 4.6GB。思っていたよりは小さいな、と言うのが素直な感想です。例えば VIENNA の VI SOLO STRINGS 1 はヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの4楽器を収録して 55GB(圧縮状態)ですので大したことはありません。
私の率直な感想は「ふ~ん」でした。特にこれと言って新しい発見はありませんでした。"virtuoso" を詠うだけに倍音成分をたっぷり含んだ豊かな響きを聴かせてくれると期待していたのですが、思ったほどでもないかな。また、表情も少し固めでヴァイオリン特有の甘い響きのようなものも感じませんでした。例えば VIENNA VI VI SOLO STRINGS 1 のデモソング Zapateado - Violin solo なんかと聴き比べてみてください(http://www.crypton.co.jp/mp/do/prod?id=27910)。
ところが打ち込み版は、そんな雰囲気一切なし。確かに音の入りを sf する、ダイナミクスを変えるなどして緊張感を持たせようとしたことは理解できます。しかし音を抜くと言うことをしない。出た音がそのままの音量で残るからその音を追いかけてしまって次の音出にインパクトを与えられていない。また音量が大きすぎて音楽が既に前に出てきてしまい、この場面に必要な「これから何かヤバイもんが登場する」と言う雰囲気を消してしまっている。さらに休符に意味を持たせられていない、テンポがクレッシェンド・ディミニエンドと連動していないなど、気になる点は枚挙に暇がありません。
組めないとすれば、それは音源のせいではなく打ち込みの技術によるところでしょう。こういう場合は高級音源を手に入れても、多少個々の音が良くなってその場によりふさわしい音色が鳴るようにはなりますが、依然として曲全体のうそ臭さや理解してない感は残ったままになり、素人が街中で F1 カーを乗り回しているイメージになります。HALion Symphonic Orchestra とか Miroslav Philharmonik とか安価な音源でも十分使えますので、安易に高級音源に手を出さず、しっかりと足元を固めてから計画的に購入するのが良いと思います。
VSLダウンロード・インストゥルメントって言うのは要するに各楽器単位でのバラ売りってことで、ダウンロード版なので手軽に欲しい楽器だけ手に入れることが出来ます。例によって SANTARD/EXTEND の2つに分かれています。ですからこのキャンペーンの意味は、Vienna Instruments STANDARD 製品を1つ買うと、お好きな楽器(VSL ダウンロード・インストゥルメント)の STANDARD または EXTEND が1つダウンロードできるようになるってことですね。最大3つまで行けるみたいです。
どうでしょう?
ちょっと微妙ですかねぇ。例えば金管セクションの基本製品である VI BRASS I の STANDARD を買って、クラリネットだけの STANDARD が付いてくる。う~ん。それにどうも VSL ダウンロード・インストゥルメントにはストリング系の音色はないみたいですね。
そうだ!木管セクションの VI WOODWINDS I STANDARD を買ってサックスの STANDARD を付けるなんてのはどうですか?オーケストラはブラスバンドと違ってサックスが標準ではないですからね。あとはそうだな、金管セクションの VI BRASS I STANDARD を買ってどうしても欲しい EXTEND を付けるとか。
まずデータサイズですが、同じく VIENNA からリリースされている定番の BRASS 音源 VI BRASS 1 / STANDARD は 51GB あります。この差は搭載されているアーティキュレーションの種類が少ないことに起因しているように見えます。チョット凝ったことをしようとすると「アーティキュレーションがない!」ってことになるかもしれませんね。
ちなみに先日紹介した EAST WEST 最新 BRASS 音源 HOLLYWOOD BRASS(こちら) は 150GB(GOLD EDITION は 20GB)です。VIENNA の音源は独自の圧縮技術によって容量が 2/3 程度になっていますから、だいたい EAST WEST HOLLYWOOD BRASS GOLD EDITION と同じサイズと言えるでしょうか。ただし、この GOLD EDITION はフラグシップである DIAMOND EDITION と同じだけアーティキュレーションを搭載しており、その録音精度(16bit)とマイクポジション数が異なることによって容量が小さくなっています。アーティキュレーションだけを純粋に比較した場合、HOLLYWOOD BRASS の方が多いわけです。
VI VIENNA DIMENSION BRASS は 24bit で専用マイクを使って収録していますので、音質面からの妥協はありません。 EAST WEST HOLLYWOOD BRASS GOLD EDITION と比較した場合、その音質をとるか、アーティキュレーションの数をとるかと言った選択になろうかと思います。
個人的には EAST WEST HOLLYWOOD BRASS の攻勢を受けた VIENNA の出方を窺いつつ、EAST WEST HOLLYWOOD BRASS が値下がりするのを待つのがいいかなと思っています。皆さんは如何ですか?ただ、この DIMENSION BRASS、クリプトンにおけるカテゴリー売り上げ No.1 商品らしいですよ。デモソングも聴きましたが、ブラスバンドの打ち込みをするには最適かもしれませんね。
さて、こうなると今後の EAST WEST の展開は読みやすいですよね。さらに1年後、Woodwinds が登場。次に Percussion が登場して Hollywood シリーズが完結する感じかな。そして、これらをパッケージにした Hollywood Orchestra が出てきて例の得意技、最大 75% OFF で叩き売る!
と言うことで、何かとお騒がせな EAST WEST の最新作、Hollywood Brass に関する言いたい放題でした。こうなると東の雄である VIENNA も厳しくなってきますね。あちらは落ち着いてると言うかお高くとまっていると言うか、たいした動きがありません(面白いことに音源の音もそんな感じ。EAST WEST が「動」の音なら VIENNA は「静」かな)。
Hollywood Strings のデモソングが聴きたいのにオーケストラやピアノ・コーラス混じりの曲になってて勢いでごまかされてしまいがちですが、お勧めは Diamond Edition の3曲目 Shipwrecked と6曲目 Love Suspended、8曲目 Missing Letters、そして最後の Hollywood Spiccati ですかね。粗も見え隠れしますが、、、。